素敵な理由

益川さんが大好きだ。
ノーベル物理学賞の。
川端康成以来史上二人目の日本語スピーチの後
記者が「これからは英語を勉強する?」と問うと
「しません」の即答。


高校生の時に決心したんだって。
「日本語の論文を世界中に読ませてやる」って。


このひとすきー


今日の日経春秋は変だ。なぜソコをとりあげないんだ。
念のため「英語を覚えなくていいということではない」云々。
んー。


いつもながら些事ですが
昔こんなことがありまして。
大学院修了まぎわのこと。
博士を受ける留学生の、論文のお手伝いをした。
そのひとはアジア圏の人で、すごく怒っていた。
試験は日本語か英語。
論文も日本語か英語。
英語圏の連中にはものすごく有利じゃないか。というんですな。
私は、じゃあ、タマビの博士受けるのやめたら?って思ったけど。
それに、私らの場合、論文より作品のほうがウエート高いんだし。たぶん。


そのひとは、多くの留学生がそうであるように
語学留学を1年して、タマビに来た、んではなかった。
いきなり、まるはだかで、あいうえおもわからずに来たんだって。
面接のときは通訳を雇ったそうな。
いろんな教授が「日本語できなきゃだめ」って言ったなか
オザクさんだけが「べつに言葉話せなくたって、さくひんがよけりゃいいんだよ、うっひっひっひ」と言ったそうだ。
そんなオザクさんは学生よりも工房にきて制作しており
勝手にわたしの作りかけの版を盗んでいくので全く困ったお人だった。
とあるパブリックの美術館では
まだお元気なのにもかかわらず、没年数が書いてあってびっくりしたよ。
しゃれになりません。


あ、そんで
なんだったっけ?


そのひとは無事うかって
こないだ博士号も取得したらしい。


益川さんが素敵なのは
別に「日本人たるもの、日本語をば!」みたいな変な力みがあるんじゃなくて
英語が大っ嫌いだそうで
なんつうか、「てへ」っていう要素があるところだと思う。
だって、サインがローマ字だったもんね。うふふ
カンジじゃないんだー
このひとすきー