船、山にのぼる

映画「船、山にのぼる」を観た
http://www.fune-yama.com/


ダムに水没する集落で
人々の思いがさわやかで雄大なスケールのおっきなおっきな
ものを作るドキュメンタリー
なんとなく、「アート」って言葉を使いたくない
よい意味で。


お金掛けて有名なひとをつれてきてドーンっていう、アートらしきものと区別したいから。


確かポレポレで予告を見たのが最初
ニイガタに来てくれてありがとう
予告で、住民のおっさんが
「水没っていうのはどんな風に言ってみたってマイナスイメージ。そこへきて、船が山をのぼるだなんて、無条件に面白いじゃん」
っていってたの。
そこだけ見てどきりとした。


あと、タイトルがわたしの一番大好きな映画「フィツカラルド」を思わせるところもぐっとくる。


でもねー、フィッツは、フィクションであり
あのクラウス・キンスキーのぎらぎらの目でできているのであり。
フィッツ観たときは「すげー、映画ってこんなことができるんだ!」ともんのすごく興奮した。
船、〜はね、フィクションじゃないし「すげー、人間ってすげー!」と
大きなものの懐にゆったりと抱かれるような
それはそれは静かな興奮だった。


アートって言葉を使いたくないけど
でもアートの可能性をぐわっと広げてくれるもので
これだけ、ふつうのひとびとにふつうに愛されるアート?イベント?なんつうか、象徴、シンボル?
こんなの他にないよねー


船自体は、まるたのイカダ風で
これから水没する野原にあるときも、水の上でも、山に登ってからも
なんというか、少しおかしみのある大きな葉っぱみたいだった。
ゾウリムシみたいでもあるし。


あとねぇあのでっかい木がやっばい
樹齢600年くらいとか。
作中ではジーっていってたけど私にはバーサンに見えたよ。
600年もじーっとそこにいたんだから
人間なんて小僧っこだよなー
女版キョシン兵のサナギみたい
日デのトレーラーがぶっ壊れそうなほど重いみたい。
この木に持ってかれて、ちょっと船がかすんだような…


そんで、あの船、下のやぐらみたいなところが
渋谷駅でお披露目になった太郎の明日の神話を修復するときの姿に似ていて
今日この日に私の中で二つがリンクしたことが嬉しかった。
明日の神話は何度も取材に行ったんだ。
一番職権乱用して一番いい取材ができたと思ってる。


はう、脱線。


ダムの是非を超えて、その先でなにをしようかっていうエネルギーが
コドモのコドモみたときと近い気持ちいい感覚
すごいなーうれしいなーきもちいいなー
住民たちが楽しんでるし超参加してるし
わかるわかんないじゃなくて
ワクワクして
いっぱい感じてるんだよね、ジンさん!
作家個人の個人的な想いとかを垣間見る作品も面白いけど
しょせん他人の世界や他人の嗜好
こーゆー、みんなでワクワクのとはスケールがちがうからまったく別物だね。
作家個人からスタートするけど行政を巻き込んだり住民巻き込んでいくクリスト夫妻のやってることを
もっと、自然にしたような感じ。


Fラムのおっさんが出てきたけど
どうして彼はこんな素敵なのに少なからずかかわったのに
あーゆーことになっているのかな?
よい協力者がいないのかもしれないな。と思いました。


あーわたしもなんかやりてー
ぷすぷすぷすぷす