しらぬが神秘

取材にいった先の社長が
ものすごい筋金入りのマニアで、
何のマニアか書くと素性が知れるから控えるが、
びっくりしたー。
絵かきだったりモノ書きだったり、表現者は性欲が強い論を最近部員と論じあって、
あ、コレクター熱も、性欲つよいんじゃ、と勝手に決めた。


以前、吉本ばななの「みずうみ」を読んだとき、
図書館で毎日スコシズツ読み進める、という方法を選んだ。
物語は、作品によって読み手のスピード感も大事だと思う。
あれは少しずつがよい。


さっきの社長の三番目のお嬢さんは絵を描くらしい
取り壊される施設に壁画を描いたりしてる
新聞の切り抜きをうれしそうに見せてくれた。
なんとなく「みずうみ」を思っていたら、
なんと、名前まで同じだった。
まさかモデルなんじゃなかろうか。
小説のお父さんも社長だったはず。
喉まで出かかった言葉をゴクンとやって、
やっぱり聞かないほうが神秘的で可能性の余地も残ってすてきだもん。


取材はまったく記事になる話を引き出せずじまい。
コレクションをじっくりみて
なぜかイラストの仕事をもらった。
会社には内緒です。