父の背中

啓蟄だそうで。
なんとなくソワソワ
帰宅してから二時間の間に、何度も携帯をなくし、
サメ肌氏に電話してもらうこと六回。
その後、眉毛を抜きながらビールを飲んでいたら、
畳にざばーっとひっくり返した。
どうしょば。


そこへ、風呂上がりで乳を出した父がやってきて
見上げたら、背中に何か光った。
福毛だ。長い!
12センチはあろうか。
さらに、5センチを隔てた辺りにもう一本あった。
どおりで、彼はめちゃくちゃなことばっかりしているのに
ものすごい強運の持ち主なんす。
あんなのが二本も背を泳いでいりゃあ、ねぇ。


なんつうか、
三十路間近のオナゴが
リアル父の背を
まじまじと見てもよいのだろーか。
どうなんだろーか。