びば・ゆるさ

人間がつくったものはホントに面白い。
こうなっちゃった、的な地方のテーマパークにある
ちんちくりんな人形とか
ありえない秘宝館とか
気違いじみた看板とか。
だから珍スポが好き。
先人がそうせざるを得なかった衝動やその背景をひとり妄想する
都築さんの言う「お水スーツ」もしかり
はたまた、
仏像はゆるキャラだと断じて
非難の眼差しを向けられるイカ部しかり。
仏像展はいけなかったけど
図録をみて大爆笑
パンチパーマのでかいのを被ってなさる。
どうかんがえても比率がおかしい
頭が六割
不謹慎ゆえ笑いが込み上げる。
デッサン狂ってるからいとおしい。
クオリティ高いテーマパークはさびれないかぎり
いとおしくない、
熟成足りない。


チョンマゲ先輩が喜々として写真集をたぐり寄せ、
ほらここ!と示す先を見遣れば、
十一面観音の頭に乗ってる豆粒級のチビ仏像が
明らかに曲がっている。
回転している。
古い写真と、新しい写真を見比べて、
この回転に気付いた人ははたして何人いるのやら。
著名な雑誌であったし、それなりの専門家が校正しているはず
国宝級にこんなマチガイをはさみこんでもありがたがっていられる
信仰とは、何を見るかではないのだね。


チョンマゲ先輩は来る客にこれをいくら話しても、
相手が老眼などの物理的な事由により、
「見えない」と一蹴され
悶々とした日々を過ごしていたらしい。


でもあれだけの盛況を博した仏像展。
やはり偶像崇拝を禁じていたらマネーは生まれなかったわけで、
ゆるさが許容されることがいかに「生む余地」を内包しているかを
あらためて思い知るわけです。